<飾り帯の形状>
EF58の飾り帯は一枚の真鍮板(60・61号機はステンレス)ではなく、何枚かをつないだ物となっています。そのつなぎ方には2種類あり、日立製作所と三菱電機・新三菱重工製が3枚を直線でつなぐ形、東京芝浦電気、川崎車輌・川崎重工、東洋電機・汽車会社、日本車輌・富士電機製が2枚を「く」の字型でつなぐ形になっています。この事は比較的有名だと思いますが、実はヒゲの形状にも2種類が存在します。

具体的には前面のヒゲ部分の形状が日立製以外は側面から前面に回り込んだ辺りからカーブが始まっているのに対し、日立製は取付高さ自体が若干低く、標識灯の内側上辺りにある継ぎ目からカーブが始まっており、結果的にカーブ部分の帯が太くカーブも急になっています。

最初は継ぎ目が直線タイプと「く」の字タイプとで2種類かと思ったのですが、同じ直線タイプの日立と三菱を比べてみても三菱は「く」の字タイプと同形態で、日立製のみ形状が異なります。

百聞は一見にしかずで、比較しやすい様に下のGIF画像で似た様なアングルの写真を連続して表示する様にしたので取付高さとヒゲのカーブに注目してごご覧下さい。(165・86・131号機は分かりやすい様に左右反転しています)
画角やアングルに差異があるので厳密ではありませんが、それでも違いを認識できると思います。
※写真クリックで大きなサイズが表示されます。

 1.継ぎ目が直線の日立と「く」の字形の比較
  取付高さ、ヒゲのカーブが異なる

121号機(日立)・153号機(東芝)・165号機(川崎)・86号機(東洋・汽車)・131号機(日車・富士)
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん・kobaneko(131号機のみ)


123号機(日立)・109号機(東芝) 撮影:kobaneko

 2.継ぎ目が直線同士の日立と三菱の比較
  三菱は「く」の字タイプと同形態

102号機(日立)・113号機(三菱) 撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん・山口裕志さん

ヒゲの形で顔の印象も結構異なる事がお分かり頂けますでしょうか?
日立製以外はヒゲのカーブの具合で若干釣り目で凛々しく、それに対して日立機は温和な表情に見えます。実際には各機個別に差異はあるかと思いますが、基本的にはこの2種類に大別されるとみて間違いないと思います。

以前から気にはなっていたのですが、実際に画像で比較する事で明確になりすっきりしました。
今更ながら改めてゴハチは奥が深いですねぇ。(2025.10.1記)